junjun

ゾイさん、血まみれ……赤いから……？
でも私には、血まみれじゃなくて、力強くて希望を感じる朝焼けの赤に見えるけれど。
「ニーナ。ニーナ・ユティラ、です。
　あの、ありがとうございます、ゾイさん……」
差し出された保存食は、天からの贈り物に見えた。
ありがたく、ありがたーーーーーくおしいただいて、咀嚼する。
数日ぶりの食事は、とんでもなく美味しくて。

とんでもなく乾燥していた。

そりゃあ保存食なんだから乾燥してるよね！

ゲホゲホゲホゲホッ！！

口の中に残っていたなけなしの水分をあらかた持っていかれてむせていたら。

横から水袋が差し出された。

お礼を言う間も惜しんで水袋を取り、喉に流し込む！

ふー…………

落ち着いたところで改めて、水袋をくれた恩人を見ると。
まさに天使だった。…[ 続きを読む ]

あー……ゆらゆらする……

馬、かな………？　たくましい、頼れる、優しい、馬……

ぼんやりと目を開けると……馬じゃない……
人だ、赤い、ひと……
すごい、力強い人だ……

「あのう……」
あー、力が入らない。
おなか、すいた。

でも、お金、ない…………
ちょっと前に使い果たして、それっきりだ……

「おなか、すいてて……でも、お金ないんで…………
　用心棒とか、皿洗いとか、するので…………」

食べさせてくれるところ、知りませんか？
って聞こうとしたら、声よりも大きい音がお腹で鳴った。

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PL：
こきんさん、絡んでくださってありがとうございます！…[ 続きを読む ]