ココはどこ、今はいつ?

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    kakigoori443
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    「ああ、いい匂い」

    美味しそうな香りに誘われて、ふらふらと知らない路地に入り込んでしまったのが間違いだった。

    (はぅぅ。ここはどこ?)

    あわてて引き返すが、見覚えのない分岐で途方に暮れる。

    (ここが魔法都市なのを忘れていたわ・・・。知らない間にまた魔法の罠に引っかかってしまったわ!)

     かつて母親に言われたことを思い出す。
    ダンジョンでは、右か左のどちらかに進み続ければそのうち出口にたどり着けるとかなんとか。
    ほとんど脇道に入らずに直進する人だったけど・・・

    「と、とにかく。太陽の方向に向かって歩けば、そのうち大通りか城壁にたどり着くわよ!」

     周りの人が急に振りかってこっちを見ている。どうやら声に出ていたみたい・・・。
    ヘイセイを装いつつ、速足で歩き始める。

    (知っている道に出ればよし。城壁にたどり着いたら右に右に進めばそのうち城門にたどり着けるハズ!)

     変に考え事をするからイケなかったのよ。とにかくまっすぐ、まっすぐ道なりに進む。
    道は相変わらず見覚えがないけれど、だんだんと人通りが多くなってきていて、少し安心する。
    露店が並び始め、店先には、木の実や果実が並んでいる。

    (うう、おいしそう・・・。)

    残念ながら、私はほとんどお金を持っていない。
    オランに来て、紆余曲折あって冒険者の店にたどり着き、なんとか今日までその日暮らしでやってきたのだ。
    手持ちのお金は、オラン到着時からほとんど変わっていない。
    ここで無駄遣いするわけにはいかない・・・。

    (あのフルーツは、村の秋祭りで食べたなぁ。すごく甘かった・・・。)

     想像しただけで、おなかが鳴りそうだった。

    (えっ、ちょっと待って!!)

     足が完全に止まる。
    確かオランに着いたときは、新緑がまぶしい季節だった。
    道端でも花が咲き誇っていて、店先には野菜は売られていたが、果実なんかほとんどなくて・・・。

    (私、オランに何日いたんだっけ・・・?)

    変な汗が背中を流れる。両手の指で何回か数えたくらいだったハズ・・・。

    (も、もしかして、別世界に迷い込んでる・・・?)

    ずっと城壁のなかで過ごしていたから川にも海にも行っていない。
    ううん、オランにも川はあるけれど、私は川遊びはしていない。
    海もあるけれど、私は行っていない・・・。
    もう一度太陽を見上げる。この時間の太陽ってこんなに低かったっけ・・・。
    いやな汗が止まらない・・・。

    「あ、あのっ、すいません。ココはどこで、今はいつでしょうか?」

    果物屋のオヤジは、思いっきり変な顔をしていた。

    ====================================

    気が付いたら、ほぼ4か月経っていました。
    そしてセッションにも参加し損ねました。
    うーむ。時空がゆがんでいるなぁ。

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  • #3618

     果物屋でイケメンが声をかけてきて、親切にも道案内をしてくれるというからノコノコとついていった私が悪いんだけど。
    いつの間にか船に乗せられて働かされたのよ、私の場合は。

    「ホント!ヒドいんだから!
     あのオトコ、『キミ肌白いね。箱入りのお嬢様なのかい?』とか言ってさ、
     こっちはお金がなくて困ってるのを知ってていうんだよ!」

     船で知り合った友達と街中を歩く。
    大通りしか歩かないようにしているし、万が一道に迷っても、一人きりじゃないし何とかなるわよ。

    「服装からしても、そういう風には見えないだろうことは今なら分かるわよ。
    だいたい、帽子すらかぶっていないのにそこまで肌が白いということもないだろうし。
    ナンパっていうんでしょ? ああいうの。
    私、初めてだったから浮かれちゃって・・・。」

    エルフの血が強いから目立っていたというのもあるだろうし、いかにもヨソモノで声をかけやすかった、というのはあると思う。
    道案内なんて、その最たるものじゃない。

    「でさ、『避暑にでも行っていたのかい?海で泳いだことはあるかい?』とか言うんだよ。
     それで、海はまだ行ったことがない、って言ったら、『連れて行ってあげる』っていうワケよ。
     わたし、お金ほとんど持っていない、ってシオラシク言ったらさ、
     『大丈夫、いい方法があるよ』って言って、『誰にでもできるワケじゃないけれど、キミならできると思うよ』だって。」

     君ならできる、って笑顔で言われたらねぇ。その気になるじゃない。

    「で、海は初めてなら、船に乗りたくないかい、って言われたのよ。
     乗せてあげるって言われて、ついていったら、なんだかんだ言われて着替えさせられて、船上ウエイトレスをしていたのよね・・・。」

     ふぅっと大きくため息をつく。
    渡る世間はオーガーだらけ。オトコは顔で判断しちゃだめよ、と母親は言っていたケド、父親は贔屓目抜きにイケメンであまり説得力はない。

    「それにあのオトコ、船員にお金を貰っていたのよ! ムカつくでしょう!」

     あんなのに騙された自分がとぉっても!悔しい!

    「他にも、あるのよ!
     ねぇ、ちょっと聞いてよ!!」

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    GMの好意でセッション「 追放姉妹と騎馬合戦」に途中参加できました。
    現時点で進行中ですが、「死亡リスク無し」とのことなので、冒険日記で書けなかったネタを、帰還後という形でこちらに投下します。

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