灰の城と真紅の鐘
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トピック
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オランの市場通りから外れた路地、潮風が吹き抜ける石畳の先に**《銀の麦束亭》**はあった。
扉を押し開けると、木の梁と分厚い板壁に囲まれた室内は、昼間でも少し薄暗い。
暖炉の火が赤く揺れ、燻った薪の香りが漂う。壁際のテーブルでは港の労働者が黒麦ビールを煽り、旅芸人らしき女がリュートを爪弾いている。
カモメの鳴き声と遠い波音が、窓の外から微かに混じって聞こえてきた。⸻
たまたま同じ時刻に店へ入り、同じ丸テーブルに相席することになった二人の冒険者。
二人の間には、まだ馴染みきらない沈黙と、かすかな警戒の空気が漂っていた。
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その時、カウンターの向こうでジョッキを磨いていた店主ハロルドが声をかけてきた。
片足を少し引きずりながら、ゆっくりと二人の席へ近づく。「お前ら、冒険者だな? そういや丁度いい話があるんだ。」
ハロルドは丸椅子に腰を掛け、低い声で語り始める。
「昔、サーダイン王国っていう、それはもう大きな国があったんだがな……やがて滅びちまった。
でかい国が消えりゃ、小国がいくつも立ち並ぶもんだ。
そのひとつにエストレグナって国があってな……オランから北へ歩いて三日ほどの場所だ。」ハロルドは黒麦ビールをひと口飲み、声を少し落とした。
「そこには無人になった灰色の城があるんだが……先日、そこの鐘が鳴ったんだよ。
あの鐘は、王族しか鳴らせない“真紅の鐘”だ。
もし誰かが鳴らしたなら、ただ事じゃねぇ。」暖炉の火がぱちりと爆ぜ、店内のざわめきが一瞬遠のく。
「ギルドは調査に動きたいが、手の空いた腕利きがいねぇ。
……お前ら、行ってみる気はないか?」ーーーーーーーーーーーーーーー
お待たせしました。
セッション始まりました。
久しぶりなので緊張してます笑お手柔らかによろしくお願いします。
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