ドワーフの幸せ。

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    オーコ
    参加者

    「おやじ!!こっちにもエールをくれ!」

    俺はドワーフのドーピー。今日は久々にミノ亭に来たっす。今日はいつもと違って大盛況のようで店の中は騒がしい。
    店主のジョージもあくせくと働いているっす。

    「ジョージさん、こっちにもエールを!」

    「はいよ!」
    ジョージの元気のいい返事が騒がしい店内に響き渡る。

    今日はおやじのところで一日こき使われてへとへとっす。おやじは昔ながらのドワーフで自分の作るものに妥協はない。そのためかたまに手伝いに駆り出されるとあーでもないこーでもないと、俺の仕事にケチをつけてくるっす。だったら、最初から手伝いに呼ばなければいいのに…。まったくドワーフ使いの荒いおやじっす。

    「へい!お待ち!」

    俺のカウンターの席にドンと俺の両手でも収まりきれない大きさの木のコップが置かれる。
    上からのぞくと黄金色の水がなみなみと注がれていた。

    来た来た!
    俺はおやじの手伝いの帰りにここにきてはまずは特大のエールを一杯頼むことにしてるっす。
    え!?ドワーフらしくないって!?ドワーフでもエールを飲みたいときはあるっす。
    でも、地元で飲むと絡んでくるやつがいるのでここでこっそり飲みにくるっす。

    ごきゅごきゅごきゅ

    俺はコップを片手に一気に喉を鳴らして飲む。

    「ぷはー!うまいっす!」

    冷やしたらもっとうまいんだろうなと思いつつ、魔法を覚えなかったことに後悔を覚えるっす。

    「ジョージさん、火酒と肉料理を適当にお願いするっす!」

    「おめえ、もう飲んだのか!?さすがドワーフだな。火酒と肉だな!あいよ!」
    ジョージは驚きつつも厨房に入っていった。

    しかし、俺も一流の武器を作ってみたいものっす。で、それを使って冒険に出るっす。
    俺は自作の斧をかざし、敵に立ち向かう自分を想像してみた。

    敵がひしめく中、次々と倒れる仲間たち、俺はその仲間の一人を抱え。
    「待ってろ、敵は俺がとるっす。」
    と低めの声で言う。

    そして、敵たちの中に一人立ち向かう俺!

    「なあに、気色の悪い笑みを浮かべてんだ。はい、お待ち。」
    ジョージさんは俺の顔を訝しげに見て、火酒と肉料理を席に置く。

    俺は妄想を邪魔された不快感と、変な顔を見られた恥ずかしさで顔を赤らめてしまう。

    「さ、気を取り直してもう一杯。」
    と独り言を言いつつ火酒の入ったコップを手に取り、一口のむ。
    熱いものが喉を通り胃にいくのが感じられる。
    この感覚がたまらない、エールもいいけどやっぱ酒は強めのものに限る。
    そう思って、ふと自分もドワーフなんだなと笑みをこぼす。
    そして、もう一杯…口に含む。やっぱうまいっす。ドワーフに生まれてよかったっす。

    こうして、俺のミノ亭での夜が更けていった…。

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