【終了】白夜【3/1~5/28】

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    トピック
  • #2866
    ロビン
    参加者

    参加PC──────

    “英雄の足跡” ハウリー・マード 寿さん
    ファイター6/プリースト(ラーダ)5/シャーマン5/レンジャー3/ソーサラー1/セージ1
    能力値も技能も、もはや名実ともに超英雄。びっくりした。

    “英雄の足跡” ジョシュア ツナツナさん
    シーフ2/シャーマン3/セージ2
    性格悪い悪党さんなのだそうですよ。GM興味津々。

    メルフィー 定俊さん
    レンジャー4/セージ4/ソーサラー4
    物理遠距離攻撃が得意な魔術師おねえさん。癒されたい。

     
    NPC──────

    依頼人 フロル・マイヤ
    ハーフエルフ 女性 25歳
    セージ2/シャーマン1/事務(一般技能)3
    学者の卵 おっとりしているが、丈夫で健康そう
     

    「白夜」会議室

11件の返信を表示中 - 136 - 146件目 (全146件中)
  • 投稿者
    返信
  • #3333

    >『ルビンには、できないことが、いっぱいあるの……』

    『・・・うん』

    しかしその言葉とは逆に、おれの体温が下がり目の前が暗くなり始める感覚がする。
    ヤバい。
    気を失う前に起こるアレ。

    >『……ルビンには、わからないことも、いっぱいいっぱい、ある……』

    『・・・ああ・・・』

    一方で片手が暖かくなり、その熱が心の臓まで届く。
    これはルビンの葛藤。気が吹き返されている。
    エネルギーが循環する。
    開けるはずの視界が、弾ける。

    (これは・・・)

    ルビンを見つめようと思っても輪郭は捉えられない。
    だが、いい。おれは今確かに見つめているんだ。内部から。

    >『 ……かなえたくない 』

    怯えるようなセリフ。

    >『 そのねがいは、いや 』

    おれは手を握ったまま指で涙を拭う。

    >『 ……おまえが、きえてしまうから 』

    『泣くな・・・』

    悲しみに満ちる心が痛い。

    生まれた場所がここでなければ、ルビンは精霊を使役する王として暮らしていくことができたかもしれない。
    世間を離れ、森の奥深くに住む妖精たちのように、またひっそり佇む宝物のように静かに息をする、そんな暮らしがあったかもしれない。
    しかし。

    『おれたちは、同じことを言っているな』

    本当に全く。
    だが、望む方向は別を向いている。
    花を咲かせることを楽しみにしていたルビン。
    今はそれを阻止したいおれ。

    『ルビン。おれたちは、出会うのが遅すぎた。おれはまだ本当のきみをよく知らない。けれど知りたいと思っている』

    自我がどこにあるか、どういったプロセスで答えを出すのか。
    何を察してどう働きかけるのか。

    —————————————————–
    PL

    結局まとまらず!!
    とりあえず投稿だけしておくか~という感じです。

    あ、でも「まだシンクロトランス状態であり続ける」です。

    ビルルートの方で決着があったとしても、何かビルは仕込んでる気がする・・・ような!?
    例えば自動起動装置的な(?)
    無かったとしても、「いや無いでしょ~」と今楽観するのは違うような気がするので。

    もうちょーぶっちゃけてしまいますが、
    ビルがルビンを生贄に暗黒魔法の方のコール・ゴッドを行うとして、その消費精神力を村人から集める、もしくはルビンがドライアードから得るエネルギーをビルが吸い取るなりして消費精神力の問題をクリアする・・・。
    そのコールゴッドを阻止するためには、精神点の吸い上げを止めて消費精神点分賄えなくするか、ルビンの抵抗を打ち破られないようにするか、コールゴッドの呪文を完成させないようにするか・・・だと思うのです。
    そして今、確実に働きかけられる箇所が、にゃい。
    最初の話に戻りますが、ビルルートで怪しい術者を打ち破ったとして、本当に儀式が行われなくなるのかは信じられないです、それはドミが暗黒Lv5であるのにセリフと態度からして、暗黒Lv10術者が確実に儀式時に存在するわけじゃない、ということは儀式を行う何らかの仕掛けがあるのかなぁと。
    というわけで、別ルートで暗黒司祭が破られても、こちら側で何らかの働きかけをしていかないとやばいよなあと思うのですが、ジョシュアができるのはルビンの抵抗値を上げるか生贄(ルビン)を壊すか・・・だよなあと思うところなのです。
    門が怪しいのかなあ。この柱。

    一旦投稿はしますが、まだもうちょっとどう行動するか考えて、閃いたら投稿していきたいです。

    そうそう、状況に対してジョシュアの優先順位ですが、
    1 コール・ゴッドを完成させない/打ち破る
    2 ルビンを生かす
       →今後生贄にされないよう成長させるために奔走する案は
        ・邪教の懸念を取り払ったこの村で暮らさせる
        ・カース(っぽいよなあ・・・)をクリアにした上で他の場所へ行かせる
    です。1は貫きたい。

    #3334
    メルフィー
    参加者

    >「わたしがメルフィーさんと次にお話ができるのは、きっと、全部が解決したあとかな!
    > みなさんがいるから、危ないことなんかないってわかってます。
    > ……一緒に来てもらって、ほんとうによかった。ありがとうございました。
    > それだけは、いまのうちに言っておかなきゃって」

    覚悟を決めたフロルさんを止める言葉はなかった。

    「ホーントに憑依された経験談かぁ……
     かなり珍しいものになりそう。
     それだけに、色々精査されることは覚悟しといたほうがいいかな。
     嘘をついてなくても、【虚言看破】を持ち出されると緊張しちゃってね……」

    緊張を少しでも和らげるため、体験談をちょっとだけ話すことにした。
    夢幻界に行ったと報告して、正気を疑われたときは大変だった。
    こちらは一切嘘はついてないのだけど、精神的に疲労したなあ。

     ――――※――――

    翌朝、村長宅を村の人たちが取り囲んだ。
    皆揃って笑顔なのが怖い。
    敵意むき出しでにらみつけてくるとかなら、対抗心が沸いてくるのに。

    >「……それで。お尋ねして、よろしいかな。
    > ──あなたがたは、森で、なにをしていたのです?」

    首謀者にあたるアンドレアさんの意識がしっかりしている。
    見たところ、第五階梯の魔術師……魔術の競い合いでは分が悪そう。
    ドミさんは闇の高司祭……これも手強い感じ。
    このふたりをなんとかすれば、村の人たちも操り人形の状態から脱せるはず。
    その前に、私やフロルさんに寄ってくる女の子たちをどうにかしないと。
    ひとりだけなら【麻痺】で行動を封じる手もあるけど、ふたりいるから無理だから……

    「万物の根源たるマナよ、眠りをもたらす雲となれ」

    【眠りの雲】の呪文を詠唱してスタッフ・スリングを突き出す。

    ———————————————–
    PL

    遅くなりました。
    魔力勝負でアンドレアには勝てないだろうし、
    まずはメルフィーやフロルに向かってくる村娘を眠らせることに。
    意識はないけど、ゾンビというわけでもなし、効く……?

    12:45:42 定俊@メルフィー 怪物判定 対象:ドミ 2d6+6 Dice:2D6[5,6]+6=17
    12:45:32 定俊@メルフィー 怪物判定 対象:アンドレア 2d6+6 Dice:2D6[6,6]+6=18

    01:46:16 定俊@メルフィー 効果範囲縮小スリープ・クラウド行使 2d6+6 Dice:2D6[3,2]+6=11

    #3338
    ロビン
    参加者

    【予告】

    今週ちょっと実生活でいろいろあって
    あまり時間がとれなくて、ほんとうにすみません。
    終わる終わると言い出してからも時間は容赦無く流れておりますので、
    いろいろ考えたのですが、
    次のGM書き込みでだいたいケリをつけることにしましたm(_ _)m
    今書いていますのでもう少々お待ちください。
     

    ビルルートは、
    ライアンを村まで連れてきている時点で、
    「ライアンにしゃべらせる」確定として、
    こちらでオートマチックに進行させていただきますm(_ _)m

    ルビンルートは、予想がちょっと袋小路に入っちゃって
    動けなくなってしまってる感が……(^_^;
    こちらももう終わりですので、身構えなくてよいですよ……(^_^;
    うまく伝えられなくてすみません。

     
    今思えば、ほんとはもっと早く、
    このイキオイでやっちゃえばよかったんだなー、
    GMって難しいなー!!

    #3346
    ロビン
    参加者

     

     
     
      ────水曜日 [5] 

     

     
    >「断ると言った!邪神の祝祭は二度と開かれる事は無い!!」
     

     まとわりつく女たちを振りほどき、その勢いのままほぼ人間離れしたスピードで、相手の頭部めがけてハウリーの鈍器が振り下ろされる──たとえ予測できたとしても、避けられる速さではない。
     標的となったアンドレアは、その武力にあっけなく討ち倒された。割れた額から血をたらしながら、無言でどたりと地に倒れ伏す。

    「───キャアアアアア!!!」

     突き飛ばされて、ハウリーが立っていた場所に尻餅をついた女が、金切り声をあげた。ハウリーと血のついたクラブに恐怖の視線を向け、必死に後退りする。

    「ひとごろし!!! いや、いやあああ!!」

     シェイドの司る〈恐怖〉という感情が、ついさっきまで哀れにかき消されかけていた反動のように、ほとばしり渦を巻いて村人たちを丸呑みにした。女たちは泣きわめき、男たちは怒号を上げ、白昼の殺人鬼──ハウリー・マードに、恐怖と憎悪の視線を向ける。
     白い服の包囲網がハウリーを中心にざわりと蠢いた。ひとりひとりは脆弱だが数だけは優位であり、その〈自分たちの一部〉に向けられた武力への怒りに燃えている──
      

      *  *  *
     

    >「万物の根源たるマナよ、眠りをもたらす雲となれ」

     メルフィーの方は幾分穏便な手段で、迫ってくる村娘たちをまとめて封じることができた。
     村人たちは今ハウリーを取り囲み、こちらに気を配っている者はいない。

     するとフロルが、倒れて眠り込んでいる娘の一人に近づき、そのそばにしゃがみこんだ。メルフィーに短い目配せをおくる。

    〈 彼女に、感謝を…… 〉

     ファントムがフロルの身体を離れ、今度は村娘に乗り移る────
     

      *  *  *
     

     ハウリーはあくまでも冷静に、すぐさま次の呼吸で、次の標的に狙いを定める。
     その視界の隅で、倒れたアンドレアの姿が変わっていくのを見た。栗毛のアンドレアではない、灰色の髪の細身の男。変身の魔法が解けたのだ。
     何人かの村人はそれに気づき、あきらかに動揺し混乱しているのがわかる。だが、ハウリーに向けられた恐怖と憎悪の塊は、その程度では止まらない。
     包囲網がハウリーに迫ってくる。ドミは易々とその輪に紛れ込み逃れようとしている。
     
     その時だ。
     

    「 彼に触れてはならぬ──── 」

     ひとりの村娘が、ハウリーを守るように両手を広げ、村人たちの前に立ちはだかった。
     

    「 真実を見誤ってはならぬ! 」
     

     娘はそう叫ぶと、ばったりと倒れた。
     それは、陽光の中、花で飾られた舞台で演じられているなにかの喜劇のようで、村人たちは息を飲み思わずそこに注目した。
     そこには、陽炎のように、やつれた男の亡霊が立っていた。
     その亡霊は朗々と、告発の台詞を告げる。
     

    〈 ──ビル・サイファーが、わたしを殺した 〉
     

     村人の幾人かがうわごとのように、ライアン・ブレン、と亡霊の名を呼んだ。
     
     

    〈 わが命を賭して、わたしはラーダに誓う! 〉
     

    〈 ビル・サイファーこそが、ラーダの名を穢す害悪である! 〉
     

    〈 ビル・サイファーの言葉は、偽りであり、邪悪だ……! 

          ────みんな、……目を、さましてくれ……! 〉

     

     亡霊となった者には、本来、神の加護はない。
     神官であったライアン・ブレンも、神聖魔法を唱える力は失ってしまっている。
     無念と後悔に苛まれながら、彼がいくらラーダへの祈りを唱え続けたところで、それは、はるかな神の御所までは届かないはずだった。
     ──だが、あの泉の周囲は、ラーダの加護に満ちていた。
     ライアン・ブレンは、けっして、見捨てられたわけではなかったのだ。
     
     

     動揺と混乱に動きを止めた村人たちの合間を縫い、ハウリーがすかさずドミを追い詰める。
     ドミは狼狽え必死で抵抗したが、もはや無駄だった。決着は一瞬だ。

     

     ──だが。

     そのわずかな時間に、不可解なことがひとつだけ起こった。

     

     意識を失って倒れていたはずのビル・サイファーの姿が、消えていたのだ。

     
     

    ────────
    ロビン@GM

    アンドレア(ビル・サイファー)
    モンスターレベル5
    敏捷度=18 移動速度=18
    回避点=8  防御点=2
    生命点/抵抗値=18/15
    精神点/抵抗値=18/15
    特殊能力=古代語魔法5レベル(魔法強度/魔力=15/8)

    NPCのモンスターデータ化、
    寿さんが計算してくれた通りです。助かりました。
    固定値でやります。
    (暗黒神官はなんで回避点13もあるんだろう!?w)
    村人も精神抵抗+2がついて10(固定値)で
    メルフィーのスリクラも成功です。
    そしてライアンは、フロルの身の安全を考えて村娘に移動しました。
    固定値なので、村人は憑依にも抵抗できません。
     

    アンドレア(仮)を殴るラウンドで、ドミは村人の方へ逃げました。
    ハウリーは、村人に包囲され、恐怖の視線を向けられて、罵られます。

    が、【祝祭本番の白夜が始まる水曜03:00(水曜の夜明け)より以前】に、
    【ライアン本人を連れてきてしゃべらせたこと】で、
    ビルによる村人の「認識書き換え」(#3262)を、ひとまず解除できました。
    ハウリーの演説は好きなだけどうぞ、ライアン登場は好きなタイミングで。
    (先にビルが撃沈したので、彼らの再会シーンはとくになしw)
    村人は現在はまだ混乱し、オロオロしていますが、判断力は戻っています。
     

    水曜の夜明け以降には、村人は完全に正気を失っていました。
    ビルがここまでPCたちを放置していたのは、
    その「水曜の夜明け」を待っていたからです。
    しかし、PCたちが01:00に村に戻ってきた時に、
    ビルは(ファントム・ライアンの存在自体を知らなかったので)
    その「予定」を早めて、村人を連れて出てきたわけです。
     

    ドミは5レベル暗黒神官として抵抗しましたが、
    すいませんが、詳細は割愛します!m(_ _)m 好きに書いてくれても!w
    ドミも頭狙いで気絶して、現在そのへんに転がっているとします。
     

    、、、が、気絶していたはずのビルは、消えました。
     
     
    これは、PCの油断やミスではなく、
    ビルは実は、スケープドール(273p)を用意していて、
    頭狙いのダメージは受けておらず、気絶も偽装だったのです。
    (シェイプチェンジ解除は自分でやった)

    ほんとはそこからハウリーに卑劣な反撃をするつもりだったのですがw
    村人が正気を取り戻してしまったので、
    最適のタイミングをうかがい、魔法を使って、この場は逃げました。

    ビルがどこへ行ったのかは、続きます。
     

    【修正】5/28 10:00
    見直したらビルのデータ確実に一部間違ってたので修正しました、、、まったくもう、、、、、
    今度こそ、たぶんこれで合ってるはず、、、、、
    (でもルルブの暗黒神官高司祭の魔法強度と魔力も間違ってない?)

    #3347
    削除
    参加者

    ライアンの言葉で村人が正気に戻った。
    ビルもドミも成敗した。
    これでライアンも成仏するだろう・・・

    「さあ、後はこいつらを拘束しましょう。・・・ビルが居ない!?」

    気絶した振りをしていたのか?なぜだ!?確かな手ごたえがあったはず・・・
    どこに行った!?
    古代語魔法を使ったなら気付くはず・・・マジックアイテムを使ったか?
    指輪を二つしていた・・・一つは発動体、もう一つは・・・変身?瞬間移動?幻覚?

    「メルフィー嬢、ビルが居ません!
    センスマジックで周囲を探して見て頂けませんか?」

    奴を逃がしては禍根を残す事になる。ライアンも安心して成仏できまい。

    寿@PL____________________________________

    スケープドール知識判定失敗。メルフィー頼んだ。失敗したらインスピ発動で。

    センスオーラと、インフラビジョンで周囲を観察。
    熱源、怪しい小動物や鳥とか、他の村人たちと様子が違う村人とか、
    どっかに隠れてないかとか探します。

    見つかったら即攻撃。

    見つからなかったら取りあえずドミを拘束。
    何か隠してないか、メルフィーに身体検査して貰って、
    猿ぐつわ噛ませて、両手両足縛ります。

    もう期限が明日ですしロビンGMがまだ続くと書いているので、
    投稿は必要ないかもと思いつつビルを探す努力はする。

    >(暗黒神官はなんで回避点13もあるんだろう!?w)
    暗黒神官は、神官戦士が基本です。
    だからファイター技能も持ってる前提のデータになってます。

    【ダイス】
    09:13:01 寿@ハウリー スケドル知識判定 2d6+3 Dice:2D6[2,4]+3=9
    失敗
    09:13:09 寿@ハウリー 予備 10d6 Dice:10D6[6,1,2,5,2,5,1,2,1,6]=31

    #3348
    ロビン
    参加者

     
     

     
      ────ルビン [3] 

     

     

     ジョシュアは、もとの世界、自分の肉体に、戻ることはできた。
     でもそうしなかった。
     だから、空っぽの肉体は、眠っているよりもはるかに無防備に、捨てられて置き去りにされている。あの村の、あの広場の、あの柱の根元に。その、まるで死体みたいな自分の横に、ルビンがしゃがみこんでいる。
     ……自分の意識はルビンとつながっているような、それとも全体を俯瞰しているような、妙な具合だ。

     

    「 ルビン………… 」

     
     そこに、男の呼び声が聞こえた。知らない声だ。
     灰色の髪に黒い目、細身で背が高い男。
     そいつは頭から赤い血を流していて、白い服が台無しになっている。

    「 ビル! 」

     ルビンが、うれしそうに大きな声をあげた。ぴょんと立ち上がると男に駆け寄って、その勢いのまま飛びついていくのを、男は慣れた手つきでとても上手に抱き上げた。

    「──けが、してるの?」

     ルビンがたどたどしい共通語で話すのを、ジョシュアは初めて聞いた。
     ルビンにとってはそれは、ビルに話しかけるためだけの言語なのだ、ということがなんとなくわかった。

    「いいや、大丈夫。
     でも、『彼ら』が、ライアン・ブレンといっしょに、ひどく怒っていてね」

     ライアン・ブレンと聞いた瞬間に、ルビンがぴくりと体をこわばらせた。
     だがビルはそれに気がつかない。早口で言葉を続ける──焦っているのだ。

    「ああ……ハウリー。ハウリー・マード。あの男が、全部めちゃくちゃにしてくれたよ。
     せっかく祝祭に誘ってやったのに、あの不躾な男は返事の代わりに棍棒で殴りかかってきたんだ、ラーダ司祭ともあろうものが!
     ルビン。わたしたちはいますぐここから逃げないといけないんだ。ハウリーが追ってくる。
     わたしとおまえを引き離して──それからあいつは、わたしをぶち殺すのさ。

     ──だから、あいつがすぐにはわたしたちを追ってこられないようにするんだ────」

     ビルは、ルビンの耳元で、こうささやいた。
     

    「ほんの少しでいい──〈門〉を、開いてみせてやろうじゃないか。
     おまえの精霊たちも、それを待ち望んでいるのだろう、ルビン」

     

     〈門〉。その言葉が唱えられただけで、ジョシュアの前にイメージが湧き上がる。
     

     門柱のようにまっすぐに並んで立つ、2本の樹木。

     やっと、2ほんのきが、そろった。
     もうすぐ、はながさく、もうすぐ────

     もうすぐ、あの〈門〉が開く。
     こちら側とあちら側が、つながる。

     それはまだいまは、壁に開いた亀裂のような、傷のようなものなのだ。
     そこからドライアードが染み出し、こちら側のルビンを守り生きながらえさせている。
     ──それでも『足りない分』をさっきのように補いながら、ルビンはなんとか、ここに存在している。

     2本の樹。
     そのひとつは、白夜の地であり、祝祭であり、その象徴である柱。
     もうひとつは、巫女であり、ドライアードの愛し娘であり、同時に門を開く手である──ルビン。
     

     ビル・サイファーは、その門を開こうとしている。
     それが、ビルの祝祭なのだ。
     
     それは、ルビンを、生かすために──?

     それとも、ルビンを、自分の使役する〈願いの精霊〉として、完成させるため──?
     

     少なくとも、ビルは神なんか信じていない。ミッドサマーなんて神はどこにもいない!
     ただ、ビルの言葉を聞いた者たちがそれぞれに、自分が信じるモノに、その秘密の名を当てはめたのだ。
     それは、ラーダであり、名を持たぬ狂気の神であり、父親であり、自分への願いであり、憎むべき邪神なのだ。

     

     ──いや、そんなことよりも。ジョシュアはもうひとつ、大急ぎで理解した。
     
     〈門〉が開いてしまえば、それは、先ほど自分が覗き見た向こう側にあるものが、こちらに押し寄せてくるということだ。
     それで、こっち側の世界がどうなるのかなんて、想像もできない。

     でもいま、ルビンにしがみつくようにして狭間に浮かんでる〈自分〉がどうなるのかは──

     さっきルビンが、涙なんかこぼしながら、あっさりと言った通りだろう。

     

     

    ────────
    ロビン@GM

    ジョシュアも、ビルの怪物判定(知名度10)をどうぞ。
    ビルの技能はSR5のみで、SHでもDPRでもありません。

    ジョシュアはいま、ルビンに引っ張られながら、
    幽体離脱して、上から見下ろしている感じです。
    自分の肉体の感覚はない代わりに、ルビンの心の動きが感じられます。

    ビルは(基地自爆ボタン的に)ルビンに「精霊界への門」を開けさせて、
    その騒ぎに乗じ、ルビンと逃走しようとしています。
     

    以下、後日解明されてPCたちも知ることができるだろうまとめです。
    もうここで書くのがよろしかろうと。
     

    【ホルガ村と、ルビン】
    もともと、この村で起こる白夜は、精霊界との不思議なつながりのためでした。
    20年前に移住してきた人々がシャーマンではなくラーダ信者だったために、
    それを感知できる者はなく、白夜は「ラーダの祝祭」になりました。

    しかし、精霊界とのつながりは住人に見えない影響をおよぼしたのか、
    生まれついてのハイ・シャーマンとも言える超常的存在、ルビンが生まれました。
    精霊に近すぎるルビンは、普通なら物質界で生きていくことはできない存在です。
    しかし父親のビルは、ルビンを生かすために、手段を選びませんでした。
    ルビンは、他人から生命力を吸収すればしばらくは生きることができるのです。

    ルビンがそうやって生きのびて成長していくにつれて、
    「ルビンの方が精霊界を引き寄せる力」が大きくなっていきました。
    もともとふたつの世界が近づく「白夜」の間に、それはもっとも強くなります。
    祝祭のたびに、「壁の亀裂」のようなものができていき、
    精霊界からドライアード等の精霊力が活性化されてホルガ村に染み出して、
    そのドライアードのおかげでルビンも最低限の生命吸収で生きてきました。
     

    【ビル・サイファーの目的】
    ……ビルの目的は、
    【その「亀裂」を、ルビンが自由に開閉できる「門」にすること】、
    そうすることで、
    「ルビンをもっともっと強力な精霊使いに成長させる」ことでした。
    その「強力な精霊使い」という存在がどういうものなのか、
    どこまでのことができるのか、それはビルにもまだわかっていません。
    ホルガ村はビルの実験場、村人は実験材料だったわけです。
    PCたちを新たな住人にスカウトする気持ちは、ほんとうにあったのですよ。
    がっつり洗脳されて、仲間になってほしかったのです。(ダメなら養分で)

    ……なお、その最初の動機が、私利私欲からなのか、娘への愛情なのかは、
    本人は、どうでもいいように感じています。確かにイカレてます。
     

    【ミッドサマー?】
    「ミッドサマー」は、村独自のラーダ信仰に自分が入り込むために、
    自分の信仰対象としてビルが作り上げた概念、と思われます!
    ビルは(現在は)、あの世界に実在するどれかの邪神に仕える暗黒神官ではないです。
    ドミはドミで、自分の信仰のもとに、ビルの思想に強く傾倒していました。
    自分の「名もなき神」を「ミッドサマー」と呼ぶことを喜んでたり。
    ビルに騙されていたわけではないですが、ビルにとっては切り捨て可能の駒でした。

     

    、、、寝る前に、ここまで書けた分を投稿しますm(_ _)m
    たいへんお待たせして、申し訳ありません。
    つづきは、もう決まっております。

    5/28中には、解放処理までします。

    #3349
    ロビン
    参加者

     

     

     

      ────白夜 [1] 

     

     

     
     大地に寝転がって、〈星空〉を眺めている────

     夜が、来たのだ。

     穴ぐらが恋しかった。この村の太陽はどぎつすぎる。
     ぎらぎらと、隅々まであけすけに照らし出して、身を隠す場所なんかどこにもなかった。

     こんな、暗がりが、恋しかった。
     
     

      *  *  *

     

     

     かなえたくない。
     それをかなえてしまったら、おまえが、きえてしまうから。
     

     一度はジョシュアに向かってそう言い、請われたその願いを拒絶したルビンは、ビルの言葉にすぐには動かなかった。

     ビルはルビンを注意深くうかがっている。ルビンに願いを伝えるルールとプロセスについて、ビルがずっと細心の注意をはらっていることが、ジョシュアにはわかってしまう。自分がそうだったからだ。そんなこととっくに自覚している。クソムカつくマキャベリスト。

     ルビンの様子に確信をもって微笑し、甘ったるい猫撫で声で、ビルは正式に願い事を口にした。
     
     

    「 〈門〉を開いておくれ。いますぐに。ルビン 」
     

     
     
     すると、ジョシュアの手が、ぎゅっと、温かくなる。
     

     ビルの願い事を聞いたルビンは、ビルの腕からするりと降りると、柱に向かって歩く。
     ジョシュアと、手をつないで。
     ジョシュアの空っぽの体は柱の根元に死体みたいに転がっていて、ビルは完全に気にも止めていない。
     ルビンと手をつないでいる方のジョシュアのことは、ビルにはまったく感知することはできない。
     

     柱までは、ほんの数歩しか離れていない。
     でも、精霊使いだけが歩けるその道は、永遠のように長い。ジョシュアが願うなら願うだけ。
     

    『……ルビンも、しりたいと、おもったの』

     
     その道を歩きながら、柱に近づくにつれて、ルビンは一歩一歩、成長していくように見える。
     ──それともこれは、ただの、ジョシュアの願望?
     だって、ルビンの白い目の中に生まれた瞳が、ジョシュアを見つめてさえいる。
     ……その瞳は虹色のように輝いていて、やっぱり眩しすぎて、直視できるかどうかわからないけれど。
     

    『 おまえは、ルビンに、おしえてくれなかったから…… 』
     

     おとなびたルビンが、ジョシュアを虹色の瞳で見つめ──こう言った。

     
     「 クソはらたつ 」
     

     それから、難解で複雑な年頃の乙女がするように、眉をしかめて瞳をうるませて頬を薔薇色に染めて、とびきりに魅力的に、うふふと笑った。

     

     

     『 おまえの、 なまえを、 おしえて 』

     

     
     
     長い道を手をつないで歩きながら、ルビンはずっと、ジョシュアの声でない声を聞いていた。
     ジョシュアから、抵抗も葛藤も決断も学んだ。

     ……そうして、ルビンは、決めたのだ。

     

     

      *  *  *

     

     ビルの願いを従順に聞き入れ、ルビンはマーチポールに向かって歩き、柱にそっと小さな手をそえた。
     ビルは、小さくほくそ笑む。
     この村はもういらない。ルビンさえいれば、どうとでもなる。ルビンはここまで成長した。これからは、新しい〈門〉だって、いくらでも────

     

    「 ビル。 おとうさん 」
     

     そして、小さなルビンは、ビルを呼んだ。

     

    「 ルビンは、もうだれも、きずつけたくない……
      ルビンはもう、だれのねがいも、かなえたくないの 」

     

     だから。
     さっきのが、ルビンの最初の願い。

     
     

    「 …… だからおねがい、もう、もやしてほしいの ────

       ──── ジョシュア……!! 」

     

     これが、ルビンの最後の願い。

     

     

     
     ルビンは、ビルの願い通りに、〈門〉を開いた。

     向こう側とこちら側が、無差別な通り道で、繋がり──── そうして ────

     

     

     
      *  *  *
     
     

     ハウリー、メルフィー、そしてフロルは、見た。

     真昼の空の下、広場の方に、まるで煉獄の悪夢のごとく、炎のストームが立ち上がるのを。

     

     そして彼らが、その場所に向け必死で駆け出した瞬間に──────

     
     まるで、舞台の幕が降りるように、巨大な結界が解かれたように、ひとつの世界が崩れでもしたかのように、小さなロウソクの炎が吹き消されたかのように、

     

     

     ひと瞬きの間に、昼の空が、夜の星空に変わった。

     

     

     白夜が、終わったのだ。

     

     

      *  *  *

     

     
     ──そうだ。
     白夜は終わったのだ。この村にはもう、あんなイカレた夜は来ない。
     これでようやく、ゆっくり眠れる。

     

     ルビンは門を開き、そこを通って、向こう側に帰った。自分だけで。

     
     それからすぐさま、向こう側から上手に門を閉めながら、ジョシュアに〈願い〉を叫んだのだ。

     
     この門を、そちら側から燃やしてしまえ、と。
     

     つないでいたジョシュアの手に、あまりある地獄の業火──炎の上位精霊エフリートによるファイアストームを託して!!

     

     星空の下、轟々と燃え続ける柱のそばにたまらずぶっ倒れ、ジョシュアは考える。
     上位精霊? 自分が? どんなインチキだ?
     おかげで、一瞬にして、ヘトヘトだ。
     ビル・サイファーを追っかけようなんて考える余裕なんか、あるわけない。

     

     

     それで、お別れだ。余韻なんかありゃしない。

     
     

     
     きっとすぐに、ハウリーたちがここに駆けつけてくるだろう。

     ──いったい、なにをどう、説明すればいいのか……それが問題だ。
     
     
     

     
    ────────
    ロビン@GM

    分岐していた両ルート、合流です。
    決断を分担する特殊処理も、ここで終了とします。
     

    シンクロ状態のジョシュアの内面は、ルビンに全部伝わりました。
    ルビンは自分の願いを持ち、
    ビルの願いを叶えたあとに、この世界から去ることを決め、実行しました。
     

    ルビンからの委託ファイアストーム(8レベル精霊魔法)は、
    消費MPはジョシュア自前のを使ってくださいw
    基本40なので、3レベルのジョシュアは14点消費です、いやあ無茶振りしますね!
    エフリートは帰ったので、なにがあったのかはジョシュアしか知りません。
    魔法の持続時間は一瞬ですが、火がついた柱は燃え続けます。

    これで、この場所の精霊界へのつながりは完全に切れ、
    ドライアードやウィスプの異常もなくなり、
    白夜は一瞬にして終わり、今後起こることもありません。
    村人に出ていた各種の影響も、自然に回復します。
     

    ビル・サイファーは、フライトでどこかに逃亡しました。
    必死で門の処理をしていたジョシュアを責めるのは酷というものでしょうw

     
    このあと、エンディング記事を投稿し、解放処理を行います。
    みなさんの書き込みはご自由にどうぞ。

    #3351
    ロビン
    参加者

     

      ────木曜日、それから 

     

     フロル・マイヤは、大地に寝転がって、〈星空〉を眺めている。

     きょうは木曜日、その夜更けだ。
     たくさんの出来事が、水曜日の未明に一応の結末にたどりついてから、およそ2日分の時間がすぎた。

     ハウリー・マードは、執念深く徹底的にビル・サイファーを探したが、手がかりはなかった。
     村人たちの多くは、長く強制的な興奮状態の反動で精根が尽き果てた状態で寝込んでいたが、みな徐々に回復してきている。
     ──ライアン・ブレンの亡霊は、自分の役目を終えたと知った瞬間に、あとかたもなく消えたのだそうだ。
     

     きょうは、木曜日。
     この場所から、白夜は消えてしまった。
     巫女はこの世界を去り、緑で飾られたマーチポールは燃え尽きた。
     ──輝く星々は、いまも、手の届かない天空にある。

     ホルガ村の今年の祝祭は中止になったけれど──
     きっといま、村中の人々がそれぞれに、天の星のことを静かに思い、祈りを捧げているだろう……

     

     
    ────────
    ロビン@GM

    後始末の段取りは適当に。
    ドミは、無事に王都のしかるべき部門に突き出されます。
    フロルは当初の調査うんぬん抜きで、
    村人の面倒を見たりするために何日か余分に滞在を続けてから
    王都に戻ってロー先生に無事を報告します。

     
    書きそびれていることは山のようにありそうですが、
    ひとまずここでしめくくります。

     
    参加者のみなさま、長きにわたってのお付き合い、
    ほんとうにありがとうございました。
    以下をお受け取りいただいて、解放です。

     

    【経験点】

    基本:1000点
    みなさんが積極的にNPCたちに関わってくれた全体ボーナス:300点
    モンスター討伐:暗黒神官高司祭ドミ 5レベル×10÷3人=17点(四捨五入)

    それから、安定したアクセスと具体的行動案まとめで
    全体の進行に貢献してくれた寿さんに特別ボーナス:100点を進呈させてください。

    そして
    「英雄の足跡」のお二人に申請いただいたパーティボーナス:100点
    最後に、各自の1ゾロ。

     
    【報酬】

    フロルの護衛依頼金(前金は全員300ガメル)
    ハウリー 3600ガメル
    ジョシュア 900ガメル
    メルフィー 1600ガメル

    暗黒神官ドミを討伐しホルガ村を救った功績に対しラーダ大神殿からの報償金
    1人あたり 1000ガメル

    ハウリーのみ
    ライアン・ブレンについての調査報告の「ご褒美」
    お金でよいなら、上記の報償金に+500ガメル、合計1500ガメルで。
    お金は受け取らず、「ラーダ神殿内での待遇」等の交渉をするなら、
    要望は通るとします。(寿さんのバランス感覚におまかせします)
    もしほかにご希望があるならば、ご相談ください。
     

    【まとめ】

    ハウリー 1517点+1ゾロ/4600ガメル+ご褒美
    ジョシュア 1417点+1ゾロ/1900ガメル
    メルフィー 1317点+1ゾロ/2600ガメル

     
    みなさんの書き込みはご自由にどうぞm(_ _)m GMレスも書きます。

    メタのネタバレ等はまた後日。質問等も受け付けます。
     

    #3352
    削除
    参加者

    寿@PLより_______________________________

    ロビンGMお疲れ様でした。

    ハウリー 1517点+1ゾロ2回/4600ガメル+ご褒美(500ガメル)

    経験点 1537点
    報 酬 5100ガメル

    受領します。

    #3372

     
     

    ルビンをもっと知りたいと願うと、
    地面に横たわっているおれがいた。

    この視界はルビンのものだろうか。いや・・・ルビンに注がれる力のように感じる。
    ”誰か”じゃない。

    そしてルビンはビルと、会話をしている。
    おかしなことにそれは夢を見ているようだった。

    >「ほんの少しでいい──〈門〉を、開いてみせてやろうじゃないか。
    > おまえの精霊たちも、それを待ち望んでいるのだろう、ルビン」

    門!

    ルビンの見ている世界とおれが見ている現実、全く繋がりのないこの裏表のような空間、それを繋げる・・・門。
    繋がりのない世界を無理やり繋げる門!
    あの力がなだれ込むんだ。

    だが・・・?
    向こう側の力は無限だろうか?有限だろうか。
    どちらにせよこの空間にぶら下がっている自分は、なだれ込む意識にしっかりと浚われてしまうだろうが。

        ルビン!!

    叫びたいが声は出なかった。
    当たり前だ。自分はソコで殻になっている。

    >「 〈門〉を開いておくれ。いますぐに。ルビン 」

        ルビン!
        もういい!!

    お前は、十分、ビルを甘やかしてきた。
    言いなりになってきた。
    自我を親に合わせて、代償として笑顔をもらってきたんじゃないのか。
    そういうふうにビルはお前に”願い”を伝えてきた。
    利己のための我欲を、それはまるで白い手に見えるようにしてみせた。
    空気が揺れるくらいの機微で行われる取引。
    欲しいものを、あげるよと、いう。

    でももうお前は薄々気が付き始めている。
    泣くだろうが・・・ かつて縋ったもの、その価値のなさを実感してしまえば。
    だから触れたかった。

    >『……ルビンも、しりたいと、おもったの』

    空間に響くその声色に、子どものような不安が消えていた。

        ルビン・・・?

    背筋が伸びて少年のように真っ直ぐさのある足取りを感じ取る。

    >『 おまえは、ルビンに、おしえてくれなかったから…… 』

    白い長い髪の間から覗く顔も、まるで成長したようだ。
    だが驚きは。

    > 「 クソはらたつ 」

    おれはゲラゲラ笑った。
    これは大人になるための呪文。
    大人に腹を立て、仕組みに腹を立て、自分に腹を立て、弱さに腹を立て、全てに牙を剥きたくなるほど悔しい気持ちを抱えて、それでも誤魔化さず生きたいと藻掻くときに呟く呪文。

        ああ

    >『 おまえの、 なまえを、 おしえて 』

        ────ジョシュア
        だ。ルビン。

    そう呟いたとき、おれは身体に戻った。
    身体は地に転がったまま重たい自分の目を開く。

    目が合う。
    七色に煌めく虹彩の奥深くまで。

        やっと会えた

    声にはしなかった。聞かれてしまうから。

    >「 ビル。 おとうさん 」

    ルビンはもう、ビルの笑顔を必要としていないんだ。
    おれにはそれがわかった。
    その瞳と同じような輝きを持つ自我が胸にある。

    >「 ルビンは、もうだれも、きずつけたくない……
    >  ルビンはもう、だれのねがいも、かなえたくないの 」

    おれはただ空をまっすぐ見上げて聞いていた。
    その真の言葉を拾うように。

    >「 …… だからおねがい、もう、もやしてほしいの ────

    ! ・・・ルビン!
    おれは村外れの焚火を思い出す。いや、違う・・・!

    >   ──── ジョシュア……!! 」

     

    『エフリーーート!!』

    ルビンが門を開く。

    そこにいるじゃないか。すぐそこに。
    一番最初に炎の精霊の名を呼ぶ。

    『この茂る柱を業火で燃やし尽くしてくれ』

    開かれ、精霊がなだれ込もうとする門の前におれは立った。

    ルビンの手の中にあった”ヒント”を頼りに、おれは限界を尽くして力を振り絞った。
    渡されたバトンの灯火を消さないように。
    汗と集中と力の限り。

    気がついたとき、ルビンはどこにもいなかった。

    夜の帳がおれの額を冷やしたことに、疑問を持つ余裕もなかった。

     
     
     
     

    思い出す。

    ルビンとは最後、向かい合っていた。

    「門を開いて、・・・帰っていったんだ。
     燃えたわけじゃない」

    手は・・・離したが、繋がりを最後まで感じていた。
    精霊力を介しての繋がりだったかもしれない。
    立ち上るその業火に、おれはルビンの力をみていたようだ。
    だから、野ざらしになったその焼け跡が、とても寂しく感じた。

    装備に着替えたおれはフロルの隣に寝そべった。

    「幻想に覆われた後、来るのは幻滅だ」

    夢というものの罪。

    「再度朝が来た時、村の人々は現実を直視しなくちゃならん。
     フロルがもしこの村人だったら・・・どうする?」

    おれなら、村を出るだろう。
    だが、幻想とはいえ深く縁を結んだ絆があるなら、生活の場として再興を目指すだろうか。

    ふと気配がよぎる気がする。
    しっかりとした白い肢体と長く白い髪、そして、虹色の瞳の流し目が。

    おれは、忘れないだろう。

     
     

    ————————————
    PL

    03:55:49 ツナツナ@ジョシュア ちめーど ビル 2d6+5 Dice:2D6[5,1]+5=11
    見破った~

    荒削りですが、、、
    残り精神点5点も残ってる!倒れてない!!奇跡!!

    >経験点 1417点
    >報酬 1900ガメル
    頂戴いたします!ありがとうございます!!

    どうもお疲れさまでした。
    ありがとうございました。

    >……ビルの目的は、
    >「ルビンをもっともっと強力な精霊使いに成長させる」ことでした。

    な・なんだってー!笑

    >……なお、その最初の動機が、私利私欲からなのか、娘への愛情なのかは、

    最初はトチ狂っているように思えましたが、ラスト読んで、もしかしたらわが子可愛さってあったんじゃないかなと思えました。
    ビルが想像していたよりルビンはとても稀有な才能を持って生まれたので、大切にしすぎたというか。
    子供にきれいな服を着せて稼がせる(同一化もしている)とか現代でもありますが、そのような印象。
    ルビンよりもビルの方が、ルビンに固執している・・・なるほどといった感じです。

    実はですね、ミッドサマーでググったとき、映画でこのタイトルが出てきたのですよ。
    「!!!! ?!?!?!」って思ったのですが、詳細見ませんでした、我慢した!
    もしかして元ネタかしらと笑
    我慢したんですよ!
    それで今終えたので、やっと見られるー♪
    ずっと気になっていました。

    >GMにネタバレ的な質問

    ビルの妻、ルビンの母親の正体ってどういう人でしたか??
    精霊使いが生まれる・・・ どんな人だったのかしらと。

    #3382
    メルフィー
    参加者

    ———————————————–
    PL

    申し訳ありません、手元のテキストファイルへ書き込んだだけなのに受領報告したと思い込んでました。

    1317点+1ゾロ/2600ガメル

    以上受領いたします。
    お疲れさまでした。

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